Forward Deployed Engineer(FDE)とは?お客様の業務改革を技術でリードするエンジニアの実像

こんにちは、AI ShiftのLinです。
この記事はAI Shift Advent Calendar 2025の24日目の記事です。

Lead Forward Deployed EngineerのLinです。東京側のFDEチームと沖縄のAI Operationチームをリードしています。

この記事の要約

この記事では、Forward Deployed Engineer(FDE)という職種について紹介します。FDEは、お客様の業務に最も近い場所で働くエンジニアです。技術とビジネスの両面から課題解決に取り組みます。

FDEの魅力、実際の業務内容、組織構成、そしてFDEチームについての紹介を通じて、この職種の全体像を理解していただけます。

目次

  • 初めに
  • FDEの魅力
  • 実際にどんなことをやっているのか
  • FDEチームについて
  • 最後に

初めに

AI Shiftでは2025年12月にForward Deployed Engineer(FDE)職を正式に設立しました。FDEは、お客様の業務に最も近い場所で働くエンジニアです。

単なる技術提供ではありません。お客様の業務に深く入り込み、技術実装から運用まで一気通貫で担います。

この記事では、FDEという職種の魅力、実際の業務内容、そしてFDEチームについてお伝えします。

FDEの魅力

1. 顧客の業務改革を技術でリードする最前線に立てる

  • お客様の課題を深く理解し、技術を駆使して実際の業務改革を実現
  • 「月に数百時間の工数削減ができた」など、お客様からの直接的な感謝の言葉を受け取れる
  • 技術と業務の両面から課題解決に取り組む

2. プロダクトの進化に直接貢献できる

お客様に最も近い場所で働くため、得られるフィードバックがプロダクトの進化に直接つながります。

  • 自分の意見が数千、数万のユーザーに影響を与える製品に反映される
  • プロダクトの方向性を左右する重要な役割を担える

3. 圧倒的な成長環境

  • 幅広いスキルセット:フロントエンド・バックエンド、インフラ、AI/ML、データベース、API設計など
  • 技術以外のスキルも同時に磨ける:ビジネスコミュニケーション、要件定義、プロジェクトマネジメント
  • AI時代の最先端で、最も実践的なスキルを身につけられる環境

実際にどんなことをやっているのか

FDEの業務は多岐にわたりますが、主な業務内容を以下にまとめます。

主要な業務領域

1. 案件例:営業業務の自動化とデータ分析

  • KPIアラート分析や営業戦略の自動生成エージェントの開発
  • AIによるSQL自動生成とデータ分析(前年比分析、トレンド分析など)
  • マルチモーダル出力(視覚的レポートと音声読み上げの両対応)
  • 夜間バッチ処理の設計・実装

2. 既存業務ツールとの統合

  • Teams連携: Azure Bot Frameworkを活用したBot構築、自動通知・対話機能


※画像:Teams Botの例(Teams Botの画面キャプチャ。ユーザーがメッセージを送信し、AIエージェントが応答している様子)

  • Outlook連携: メール返信下書きの自動生成、リマインド機能、タスク管理連携
  • カレンダー連携: 自然文での日程調整、空き時間検索、自動予定登録


※画像:日程調整エージェントの例(日程調整エージェントの画面キャプチャ。自然文での指示と空き時間候補の表示)

3. データベース設計とSQL生成

  • 既存データベース(BigQueryなど)のスキーマ理解とテーブル設計
  • LLMによるSQL生成のプロンプト設計と品質評価
  • データパイプラインの構築とセキュリティ管理

4. プロンプトエンジニアリングとワークフロー最適化

  • お客様の業務要件に合わせたプロンプト設計・最適化
  • ワークフローの各ノードでのコンテキスト管理、エラーハンドリング設計
  • 実運用で安定して動作する仕組みの構築

5. 認証とセキュリティ

  • Azure AD認証、OAuth 2.0の実装
  • お客様のセキュリティポリシーに合わせた認証方式の設計
  • データのプライバシー管理

6. 資料作成エージェントの開発

  • PowerPoint資料の自動生成エージェントの開発
  • テンプレート分析とレイアウト自動判定
  • ユーザー入力に基づいたスライド骨子の自動生成
  • 段階的な確認プロセスを経た高品質な資料作成


※画像:資料作成エージェントの例(資料作成エージェントの入力画面)


※画像:資料作成エージェントの出力例(生成されたPowerPoint資料のサンプル)

FDEチームについて

FDEはAI Shiftのミッション実現の最前線

AI Shiftのミッションは「人とAIの協働を実現し、人類に生産性革命を起こす」ことです。このミッションを実現するためには、単なるSaaSプロダクトの提供では乗り越えられない壁があります。

お客様の業務に徹底的に向き合う

FDEは、お客様の業務そのものに入り込みます。システムだけではなく、お客様の業務とそれを利用する方々に徹底的に向き合います。

これこそが真の意味でAIの価値を届けるために必要なアプローチです。

Customer Successが大事にしていること

FDEチームはCustomer Success FDE Teamとして、顧客の成功を最優先に考えています。私たちが大事にしていることは以下の通りです。

  • 顧客価値の最大化: お客様のビジネス目標を理解し、AI技術を活用して具体的な価値を提供する
  • 真のパートナーシップ: 単なる技術提供者ではなく、お客様の成功を共に目指すパートナーとしての関係構築
  • 継続的な価値提供: 導入時だけでなく、長期的にお客様の成長を支援し続ける
  • お客様の声を製品に反映: 現場で得た知見を製品開発にフィードバックする。より良い製品を提供する

FDEは、お客様の成功が私たちの成功であるという信念のもと、日々活動しています。

日本企業のDX課題を解決する鍵

日本の企業は、DXの取り組み自体は行っているものの、人材の質・量ともに不足している状況です。

業務プロセスへのAI組み込みを実現

FDEは、コンサルチームと協働して、業務プロセスへのAIの組み込みと、それに必要なDXを同時に行います。単にSaaSを導入するのではなく、お客様の業務に合わせて徹底的にカスタマイズします。

実行まで担うのがFDEの役割です。

FDEチームの組織構成と責務

FDEチームは、以下の3つの役割で構成されています。

1. Lead Forward Deployed Engineer

  • チーム全体の管理・運営、戦略計画、意思決定
  • チームメンバーの育成・キャリア開発支援
  • 他チームとの連携強化、エスカレーション対応
  • ステークホルダーへの報告・コミュニケーション

2. Forward Deployed Engineer

  • 顧客環境での製品導入・統合、アーキテクチャ設計
  • 技術的な問題解決、トラブルシューティング
  • 顧客サポート・トレーニング、技術的質問対応
  • フィードバック収集・製品改善への貢献
  • ドキュメント作成・知識共有

3. AI Operation Specialist

  • プロンプトチューニング、ワークフロー構築
  • 精度検証、テストデータセット作成・管理
  • Forward Deployed Engineerのプロンプト・ワークフロー構築支援
  • 営業・コンサルチームへの技術サポート

東京と沖縄の連携によるチーム成長

FDEチームは、東京側のFDEチームと沖縄のAI Operationチーム(AI Operation Specialist)の2つのチームで構成されています。

案件推進での連携

案件を回す際には、常に東京と沖縄のチームが一緒に動きます。お互いの強みを活かしながら協力して進めています。

  • 沖縄チーム: AI Operation Specialistが自律型エージェントの構築、精度検証、運用業務などを担当
  • 案件での連携: 東京と沖縄のチームが常に一緒に動き、お互いの強みを活かしながら案件を推進
  • ナレッジの体系化: チーム全体の課題を可視化し、解決策を議論(KPTの実施)

合宿での振り返りと目標設定

毎年、東京か沖縄で集めて合宿を実施しています。2025年11月の合宿では、25年度下半期の振り返りと26年度目標の設定を行いました。スキルの偏りを解消するための取り組みも進めています。


※画像:沖縄出張時の空港(2025年11月の沖縄出張時の空港の写真)


※画像:ハロウィンのオフィスの飾り(2025年11月のハロウィンのオフィスの飾りの写真)

他チームとの連携

FDEチームは、以下のチームと密接に連携しています。

営業・コンサルチームとの連携

営業活動を技術面から支援します。

  • 技術プレゼンテーション、技術質問対応
  • 要件定義の支援、アーキテクチャ設計の実施
  • 実装計画の策定、デリバリー品質保証

プロダクト開発チームとの連携

顧客ニーズをプロダクトに反映させます。

  • バックログリファインメントにて顧客ニーズを共有
  • 開発状況の把握

AIチームとの連携

高度なAI技術を活用します。

  • 高難度AI(RAG、GraphRAG、文字起こしなど)案件の技術的サポート
  • 自律型エージェントのベストプラクティスと評価方法

FDEチームに期待すること

FDEチームには、以下のような能力を期待しています。

  • 技術力とビジネス理解の両立: 幅広い技術力を持ちながら、お客様のビジネスを深く理解できる
  • 自律的な判断力: 不確実性の高い環境で、自律的に判断し行動できる
  • 継続的な学習姿勢: AI・LLMの分野が日々進化する中で、常に最新の技術動向をキャッチアップできる
  • チームでの連携: コンサルチームやプロダクトチームと連携しながら、大きな目標を達成できる
  • ナレッジの共有: 個人が得た知見をSlackや案件共有会などでチーム全体で共有できる。組織の知識として蓄積できる

最後に

この記事では、Forward Deployed Engineer(FDE)という職種について、以下の内容をお伝えしました。

  • FDEの魅力: 顧客の業務改革を技術でリードする最前線に立てる、プロダクトの進化に直接貢献できる、圧倒的な成長環境
  • 実際の業務内容: 営業業務の自動化、既存業務ツールとの統合、データベース設計、プロンプトエンジニアリング、資料作成エージェントの開発など
  • 組織構成: Lead Forward Deployed Engineer、Forward Deployed Engineer、AI Operation Specialistの3つの役割で構成
  • Customer Successの価値観: 顧客価値の最大化、真のパートナーシップ、継続的な価値提供を重視

FDEの使命

FDEという職種は、AI Shiftが6年間かけて培ってきた「お客様の業務と徹底的に向き合う」という価値観を、組織として明確に打ち出したものです。

単なる技術提供者ではなく、お客様の真のパートナーとして、業務改革を技術でリードしていく——これがFDEの使命です。

日本企業のDX推進におけるFDEの役割

AI時代において、技術とビジネスの両面から課題解決に取り組めるFDEは、これからの日本企業のDX推進において重要な役割を果たしていくでしょう。


採用情報

AI ShiftではFDEの採用に力を入れています!
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