言語処理学会第26回年次大会(NLP2020)へのオンライン参加

はじめに

こんにちは。AIチームの杉山です。
先日、開業したばかりの高輪ゲートウェイ駅に行ってみました。特に目的はなかったのですが、人も多かったので話題のフォントだけ確認してそそくさと帰ってきました。

明朝体だ!

さて、楽しみにしていた言語処理学会第26回年次大会(NLP2020)が今週から始まりました。
残念ながらCOVID-19の影響で現地での開催や招待講演は断念されオンラインでの開催となりましたが、このような状況でも期間の短い中で開催に動いてくださった運営の皆様に感謝しております。
今回は止むに止まれぬ事情によりオンライン開催となりましたが、今後働き方改革の推進や5Gの普及などを受けてプラスの文脈でも学会やその他イベントがオンラインで開催されることも増えてくると考えられます。
そこで、今回オンラインで学会に参加するにあたり我々がどのような準備・環境で参加したのか、また実際に参加してみての感想をまとめてみたいと思います。

環境

オンラインでの学会参加にあたり、我々は開催期間中オフィスで会議室をおさえて参加することにしました。これにはいくつか理由があります。

  • 会議室にzoom用の設備があり、音声周りで良い環境が使用できる。
  • 自席でも参加はできるが、質問時の発声で周りを気にしなくて良い。また自席にいるとタスクが降ってきがち。
  • 自宅でも参加はできるが、回線に安心感がある。(私事ですが、マンションタイプの我が家では下り1Mbps出ない時がざらにあります;;)
  • 集まって聴講することで、面白かった発表をその場で共有、その場で議論ができる。

環境面は十人十色かと思いますが、参考になれば幸いです。

準備

昨日の接続テスト期間では、以下のように実際に発表メンバーで会議室に集まってzoomの接続確認を行いました。
我々は普段から業務でzoomを利用していたり、リモートワークを行っているため大きな負担なく遠隔会議に参加することができました。
事前に同じ環境でテストすることで、ディスプレイの使い方やチャット画面の見方などを確認できるので、本番で変なところで焦らないためにも可能であれば同環境でテストすることをオススメします。

閉空間なのでマスクで失礼します。
弊社では出社時に検温して報告するなど、予防意識は高いです。

ウェビナー形式ということで不慣れな点もありましたが委員の方にフォローしていただき画面の見え方や音声に関してしっかりとテストを行うことができました。zoomの部屋で参加者を待ち、随時フォローを行ってくださった委員の方々には頭が上がりません。この場を借りて感謝申し上げます。

感想

実際にオンラインで学会に参加してみての気付きをまとめます。

よかった点

  • ポスターが見やすく、また発表が聞こえやすい
    • 通常のポスターセッションだとポスターの前に人だかりができていてよく見えなかったり、周囲のざわつきで発表者の声が聞こえにくかったりしますが、オンラインであればそれらの問題が解決されてとても快適でした。
  • 目当てのポスターを探して彷徨ったり、パラレルセッションで別テーマに移る際に発表部屋の移動をする必要がない
    • パンフレットを見ながら部屋を探して移動したり、いざ部屋にたどり着いても座席が埋まっていたりした経験はみなさんあると思います。オンラインであればそういった問題がなく、発表一覧からURLをクリックするだけでどの発表にもすぐに入れるため負担がほぼ0になりました。
  • 体力的な負担が大幅に減る
    • 上記に付随してですが、立ちっぱなしになることや移動がないため、一日終わった今でも通常とは段違いで体が楽です。
  • ランチを探す必要がない
    • 出張先でのご当地の食事は楽しみの一つですが、忙しい中不慣れな場所で良いスポットを探すのはなかなか大変です。オンラインではそういった懸念もなくなり、好きなタイミングでコーヒーを淹れたりもできるので個人的にはすごく良かったです。
コーヒーを飲みながら参加中。
WF-1000XM3もかなり役に立ちました。

難しかった点

  • ポスター発表では説明フェーズと質疑フェーズの切り替えタイミングが難しい
    • オフライン発表であれば発表者とのインタラクションで、気配を汲んで発表の途中で随時質問するケースがありますが、オンラインだとその空気感がわかりにくいため一旦全て聞く、そのあと質問の流れになるケースがほとんでした。その場合、発表者は毎回同じ説明を行うことになるため、その部分は事前に録音したものを流すことができるのではと思いました。
  • ポスター発表では聞き手の理解度に合わせた発表が難しい
    • 対面であれば相手の顔色やうなずき具合によってインタラクティブに発表内容を変えることがありますが、顔の見えない今回の形式ではそれが難しいように感じました。(なので同じ発表を毎回するのであれば録画でいいのでは?と思ったのもあります) 今後、例えばvTuberのようなアバターを纏って参加できる仕組みがあれば解消されていくのかもしれません。
  • オンラインでのプレゼン方法を練習する必要がある
    • MSのカリスマプレゼンター西脇さんもおっしゃていましたが、プレゼンにおいて視線誘導は非常に重要になります。今どこについて話しているのかを指し示す、無闇にポインターを動かさない、など身振り手振りが使えない環境でのプレゼンスキルも必要になってくると思います。

終わりに

改めてになりますが、この短期間で学会のオンライン開催に向けて尽力してくださった運営の皆様に感謝申し上げます。図らずもオンラインでの開催となりましたが、一参加者としては多くのメリットを感じる初日となりました。
ポスター発表にはまだまだオフラインの良さもあると感じましたが、口頭発表はむしろオンラインで今まで以上の良い体験を得ることができました。またこれが海外の学会であれば、音声認識を挟んで字幕をつけたり、翻訳エンジンにかけて和訳することもできるので、さらに可能性は拡がると感じました。

なお、我々AI Shiftからは3/19(木)にポスター発表があります。こちらのページに内容がまとまっていますので、ご覧の上当日は是非いらしていただき議論ができればと思います。

報告内容の詳細については別途ブログ記事を書く予定ですので、そちらもよろしくお願いします。

それでは明日明後日も楽しんでいきましょう!

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