2019.12.3
AI Worker
【後編】チャットボットって LINEとWEBでどう違うの? ~チャットボット実績を分析してみた~
コラム


検証①:チャネル(LINEとWEB)でどういった特徴の違いがあるのか?
検証②:登録FAQ数によって、各指標と相関関係はあるのか?
検証①:チャネル(LINEとWEB)でどういった特徴の違いがあるのか?
利用するツールによってチャットボットの利用傾向が異なるのではないかと仮説立て、検証を行いました。 図1は、LINEとWEBでの各指標を散布図でまとめたものになります。- WEBの方が、応答率(+6%pt)・正解率(+14%pt)ともに高い傾向
- LINEの方が、解決率(+15%pt)・FAQ回答到達率(+2%pt)とも高い傾向

図1
なぜ、LINEの方が正答率が低く、解決率が高い傾向にあるのでしょうか? さらに細かく分析してみましょう。
検証②:登録FAQ数によって、各指標と相関関係はあるのか?
次に、FAQの登録数が多い方がチャットボットでの対応範囲が広がり、各指標と正の相関関係があるのではないか、と仮説立て検証を行いました。 図3はチャネル別(LINEとWEB)で登録FAQ数と各指標の散布図としてまとめ、傾向線を加えたものです。
LINEでは登録FAQ数と正解率で負の相関関係があるのか?
LINEでは、先ほどチャネル別応答比率での分析結果より、全体での自由発話数が少なく、一定数スパムメッセージなどが存在しており、正答率がWEBに比べて少ない傾向であると述べました。 この登録FAQ数と正解率との相関関係につきましても、FAQ登録数が増えても自由発話量が少ないため、一概に負の相関があるとは言えないのではないかと考えております。 これは個人的にですが、正解率はユーザーの発話に対して正しいサジェスト(選択肢)を掲示できるようにチューニングが必要な為、自由発話量が一定量あり、適切なチューニングを行っている状態であれば、LINEもWEBのような緩やかな相関が出てくるのではないかと考えております。登録FAQ数と解決率は負の相関があるか?
相関関係では因果関係が分かりませんが、この場合、登録FAQ数を増やしても解決率にはさほど寄与していないという見方が適切かと思います。 図3で一発応答比率と解決率の関係がゆるやかな正の相関があると述べましたが、Webの場合、サジェストの比率も高いため、FAQの登録を増やすだけではなく、ユーザーにとって分かりやすい回答の掲示や、問合せが多い場合は、自由発話しなくても回答に辿り着ける導線設計が大切だと思います。 弊社で導入しているチャットボットを経年で比較してみても、解決率に大差はなく、業界やサービスによる要因が大きい為、解決率を向上されるのはハードルが高く、画像や動画で案内するなどの試行錯誤が必要かと考えております。総括
今回、チャットボットの効果的な運用を行うための基礎調査として分析した項目- チャットボットの各指標の分布/平均値
- チャネル別の特徴
- FAQ数と各指標の相関関係
LINE
- 自由発話での利用量は少なく、リッチメニューなどから利用している傾向が高い
- LINEでチャットが利用可能であることをユーザーに認知させ、LINE内での導線設計をしっかりと計画立てて行うことが重要である
- 一発応答比率と解決率に正の相関関係があるため、応答不可のユーザー発話を分析し、リッチメニューやその次の階層の選択肢に追加できないかを検討していくことが、正解率/解決率を向上させるために有効である
WEB
- 応答率、正解率とFAQ登録数では正の相関関係があるため、初期運用では応答不可のユーザー発話を分析して、FAQ登録数を増やしていくことが重要
- 応答不可の量や内訳にもよるが、一発応答比率と解決率で正の相関関係が見られる為、FAQ登録だけでなく、選択肢などの導線変更も行えないかを検討していくことが有効である
執筆:柾屋 利昭