2025.12.2
Research
生成AI推進者が持つべき3つの心構え

こんにちは、AI Shift AIエージェント事業部 チーフエバンジェリストの及川(@cyber_oikawa)です。
この記事はAI Shift Advent Calendar 2025の2日目の記事です。
AI Shiftの生成AIリスキリング事業がスタートしてから約2年弱、様々な企業での生成AIを社内推進の事例をご支援させていただきました。
その中で、社内推進が進んでいる企業と進んでいない企業にはどんな差があるのかが見えてきました。
今回は「生成AI推進者が持つべき3つの心構え」というテーマで執筆します。
社内推進の一助になれば幸いです!

本題に入る前に、私たちサイバーエージェントグループがどのように生成AIと向き合っているかをご紹介します。
全社に関わる基盤整備は「AIオペレーション室」という横断組織が担っていますが、推進における基本スタンスは「自由と自己責任」です。
(もちろん、情報の取り扱いに関するガイドラインなど、最低限のルールは遵守した上での運用です。)
管理を強めるのではなく、各部門が自律的にプロジェクトを創出できる環境作りを重視しています。
このカルチャーを前提に、私が多くの企業様をご支援する中で確信した「3つの心構え」を解説していきます。
※AIオペレーション室の取り組みに関してはこちら

多くの日本企業では「誰ひとり取り残さない」「全員で足並みを揃えて進める」というボトムアップのアプローチを重視しがちです。
しかし、生成AIのような変化の激しい領域において、この考え方は「変革が進まない・遅い」という致命的な課題を引き起こしかねません。
生成AI推進において重要なのは、「全社で揃える」ことではなく、「全員が専門家である必要はない」と割り切るスタンスです。

2つ目のポイントは、多くの企業が陥りがちな罠です。
「生成AIリテラシーが大事だと聞くから研修をやったけれど、業務変革に繋がっている気がしない」というお悩みをよく伺います。
研修自体は重要ですが、それだけで何かが変わることはありません。「戦略不在」のまま人材育成だけを行っても、現場は「とりあえずやっておこう」で終わってしまいます。
この課題を解決するためには、以下の2つの戦略を両輪で回す必要があります。

最後のポイントにして、最も重要なのが「経営陣の熱量」です。
DXやAI推進において、失敗要因の多くは「現場の孤立」や「手段の目的化」にありますが 、成功している企業に共通するのは、トップが強いコミットメントを持ち、自身の言葉で発信している点です。
サイバーエージェントでも、代表の藤田をはじめとする経営陣が「生成AIを活用する企業とそうでない企業では、数年後に大きな差がつく」と危機感を発信し、自らも研修を受講するなど、姿勢で本気度を示しています。
はじめに|サイバーエージェントグループの生成AIへのスタンス

①足並みを揃えない

- トップアップ思考への転換 全員のリテラシーが上がるのを待つのではなく、まずは現場で変革を推進できるリーダー人材を育て、局所的でも良いので「成功事例」を作り、それを普及させるという順序が重要です。
②人材育成で終わらせない

- 浸透戦略 全従業員がツールを安全に使いこなすための基礎知識(利用リテラシー)を向上させる。
- 業務変革戦略 リーダー人材が中心となり、AIを活用した「理想状態(業務プロセス)」を再定義し、具体的な変革目標を設定する。
③結局は経営陣の熱量

- 自分の言葉で伝える 「DX部署任せ」にするのではなく、経営層や各部門の責任者が、自ら生成AIを体験し、自分の言葉で現場に語りかけることが組織を動かす最大の原動力になります。
- 失敗をプラス評価する デジタル活用においては「Fail Fast(早く失敗すること)」が推奨されます。 失敗を恐れずに挑戦し、それを貴重な経験値としてプラスに評価する文化を経営主導で作っていくことが不可欠です。